日本で会社を設立するには、いくつかのステップを順に進めていく必要があります。
初めての方にとっては少し複雑に感じるかもしれませんが、流れを理解しておくことでスムーズに進められます。
ここでは、一般的な株式会社を設立する場合の手順を中心に、わかりやすく解説します。
1. 会社設立前の準備
会社の基本事項を決める
まずは、会社の基本情報を決定します。これは登記申請に必要な内容です。
- 会社名(商号):重複しないかを法務局で確認
- 事業目的:将来の事業も含めて幅広く設定
- 本店所在地:自宅・オフィス・レンタルオフィスも可
- 資本金:1円から可能だが、信用性を考慮して設定
- 役員構成(代表者・取締役):外国籍でも可(ビザ要確認)
会社印を作成する
設立時に必要となるため、会社実印・銀行印・角印の3点を用意します。印鑑登録は登記時に行います。
2. 定款の作成と認証
定款とは?
定款(ていかん)は、会社の基本ルールをまとめた「会社の憲法」のような書類です。株式会社では、公証役場での認証が必要です(合同会社は不要)。
定款認証の流れ
- 定款を作成(電子定款が主流)
- 公証役場で認証を受ける
- 印紙代4万円が電子化で節約可能
3. 資本金の払込み
定款認証後、発起人個人の銀行口座に資本金を振り込みます。通帳のコピーや振込明細書を添付し、「払込証明書」を作成します。この手続きが完了すると、登記申請の準備が整います。
4. 法務局での設立登記
登記の申請
登記は会社設立の中心的な手続きで、登記完了日が会社の設立日になります。
提出書類の例:
- 登記申請書
- 定款(認証済み)
- 払込証明書
- 取締役の就任承諾書
- 会社印鑑届出書
登記完了までの期間
通常は1〜2週間程度で完了します。登記完了後、登記事項証明書(登記簿謄本)と印鑑証明書を取得できるようになります。
5. 設立後の各種届出
税務関係の届出
設立後は速やかに以下を提出します。
税務署:
- 法人設立届出書
- 青色申告承認申請書
- 給与支払事務所等の開設届出書 など
都道府県税事務所・市区町村:
- 法人設立届出書
社会保険・労働保険の手続き
従業員を雇う場合は、以下の届け出も必要です。
- 年金事務所:社会保険の新規適用届
- 労働基準監督署:労災保険の成立届
- ハローワーク:雇用保険の適用届
6. 会社運営のスタート準備
銀行口座の開設
登記完了後、法人口座を開設します。口座開設には登記簿謄本、印鑑証明書、定款、代表者本人確認書類が必要です。
会計・税務体制の整備
クラウド会計ソフトの導入や、税理士との顧問契約を検討しましょう。早い段階から経理体制を整えることで、経営の見通しが立てやすくなります。
7. 外国人が会社を設立する場合のポイント
- 経営管理ビザの取得が必要(日本での活動には在留資格が必須)
- オフィス住所の確保が条件となる
- 外国人でも日本で代表取締役に就任可能
行政書士や専門家に相談すれば、ビザ申請から登記、口座開設までトータルサポートが受けられます。
まとめ
日本での会社設立は、
「準備 → 定款 → 登記 → 届出 → 運営準備」
というステップで進めていけば、スムーズに完了します。
手続きを一つずつ確実に進めることで、安心して事業をスタートできます。専門家に相談しながら進めれば、初めてでも心強いサポートを得られるでしょう。